第176章

エル視点

ストーン・クロー・パックの集会所は、これまで見たことのないような場所だった。アーチ型の天井には古びた木の梁が張り巡らされ、無数のロウソクが放つ温かな光が、壁に揺らめく影を落としている。巨大なオーク材の扉をくぐった瞬間、私はその光景に息をのんだ。

入口近くには、数人の若い女性の人狼たちが半円を描くように並んでいた。彼女たちは、精巧な銀の刺繍が施された流麗な布地の、伝統的なパックの正装に身を包んでいる。

そのうちの一人が、ほのかに発光する液体で満たされた銀の杯を手に、一歩進み出た。

「尊きお客様方」彼女の声はメロディーのように美しく、温かかった。「どうぞ、お召し上がりください」

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