第二十二章

エル視点

カリスタはピーターの腕の中に飛び込んだ。

「ピーター!」彼女はしゃくり上げた。その声は、トラウマと安堵をちょうど良い塩梅で表現する、完璧な音程だった。「ああ、神様、ピーター、すごく怖かったの!」

だが、彼女がその役を演じている最中でも、ピーターが息を呑むのが分かった。カリスタのものとよく似ていながら、比べものにならないほど温かい彼の琥珀色の瞳が、私が落としたフルーツナイフと、もみ合った際に彼女の爪が引っ掻いた私の耳から流れる小さな血筋に、すぐさま釘付けになった。

彼の筋肉がこわばり、ハミルトン家の血筋に流れるアルファの本能が燃え上がるのが見えた。彼はカリスタの肩に手を伸ばす。彼女を...

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