第248章

エル視点

「以前、うちの図書館で君が見た蔵書かね?」マーティンの声には、彼から一度も聞いたことのない誇らしげな響きがあった。「あれは実のところ、ブレア家が実際に所有するものの、まさに氷山の一角にすぎない。我々の本当の蔵書は、何億もの文献という単位で計られる。これが何を意味するか、分かるかね?」

私は彼を見つめた。彼の言っていることの規模の大きさに、頭がついていかなかった。

「ブレア家が過去数世紀にわたる全世界の古代文明の進歩のすべてを保存してきた、と言っても過言ではない」マーティンはそう続け、その目は敬虔な輝きを宿していた。

喉がからからになった。「何億……」

マーティンは身を乗り出...

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