チャプター 40

エル視点

一瞬で、私は気乗りしない気持ちを熱意あふれる態度へと切り替えた。輝くような笑顔を浮かべてルナ・エイダに向き直る。ブラッドの腕に自分の腕を絡め、愛情を込めて彼に寄り添った。

「ルナ・エイダ」私は温かい声で言った。「ステーキには目がないと伺いましたわ! このランチを特別なものにしませんか?」悪戯っぽくウィンクしてみせる。「目の前で料理が出来上がっていくのを見るのは、何だか魔法みたいでしょう。恋について書かれた本を読むのと、実際に恋に落ちるのとの違いみたいなものです。最高のものって、少し手間がかかるものでしょう、ねえ、あなた?」

私はブラッドを見上げて首を傾げた。瞳には作り物の愛情を...

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