第337話

コーラ

エラが出て行ったことに、私は気づかなかった。泣きすぎて忙しかったから。

最初は数滴の涙だったけど、突然ロジャーの肩で嗚咽し始めたとき、彼をまた怖がらせてしまったと思う。それは今まで感じたすべての感情—本当にすべて—が一度に駆け巡っているようだった。

「コーラ」ロジャーは心配そうに囁き、私を引き寄せた。でも私が泣き止まないと、彼はただ私をしっかり抱きしめ、「シーッ」と言いながら背中を上下に撫でた。それでも私が泣き続けると、彼はゆっくりと後ろに下がり、彼の脚がベッドに当たるまで私を腕に抱えたまま歩き、そして座り込んで私を膝の上に引き寄せ、横になった。彼と一緒に私も横たわった。

ロジ...

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