チャプター 25

夕食はどこか気まずい雰囲気のまま終わった。もうやめるべきだと分かっていても、彼女は手酌でワインをもう一杯注いでしまった。ガブリエルが彼女のグラスに目をやる。

「まだ飲むつもりなのかい?」

ロリは肩をすくめた。

「味は悪くないですから」

「そうだね。悪くはない。でも、君はお酒を飲むタイプには見えないけどね」

「飲みませんよ。実は私、すごく弱いんです」

彼女がそう言うと、ガブリエルは頷いた。

「今まで酔っ払ったことはある?」

彼に尋ねられ、彼女は頷く。

「一度だけ。プロムの時です。同級生がビールを何本か持ち込んで、フルーツポンチにアルコールを混ぜちゃって。たぶん、みんなそれで酔っ...

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