第170章

アレクサンダー視点

思っていたよりも早く、試験の二日目がやってきた。

俺は観覧エリアから、フレイヤが二人目の相手と対峙するのを見ていた。腕にいくつもの傷跡が刻まれた、歴戦の男性戦士だ。

昨日の血の覚醒で彼女は銀色の輝きを放ってはいたが、その肩に疲労が重くのしかかっているのが見て取れた。構えは力強いものの、左手には微かな震えがあった。

笛の音が鳴り響く。相手は即座に飛びかかってきた。フレイヤは躱したが、辛うじてだ。昨日なら稲妻のように動けていたところが、今日はただ十分に速い、というだけだった。

『くそっ、この連戦は彼女を消耗させすぎている』

疲れていてもなお、フレイヤは凄まじかった。...

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