チャプター 17

フレイヤ視点

クラウン&ジェム社に入ると、私はまっすぐ申請受付部へと向かった。先週提出した申請書は、もう処理されているはずだ。売りたいデザインがあるというのに、時間がかかりすぎている。でも、何かがおかしいと直感が告げていた。この辺りで物事がすんなり進むことなんて、まずないのだ。

中に入ると、そこにフォルドがいた。中古車のセールスマンみたいな嫌らしい笑みを浮かべている。その目は――血の匂いを嗅ぎつけたサメのようだった。私の中の狼が身構えたが、表面上は落ち着きを保った。

「オースティンさん!どうぞ、どうぞ。ちょうどお茶を入れたところです」彼は大げさな身振りで言った。

私は単刀直入に切り出し...

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