チャプター 186

エルサ

私はため息をつき、消毒液の匂いが漂うこの煉獄のような場所で、少なくともあと数時間は囚われの身となることを観念して受け入れた。看護師が点滴を調整し、針を皮膚に固定しているテープを引っ張る間、私はドレイクのアシスタントとして過ごした日々のことを考えていた。自分に病気になることさえ許さなかった、あの数年間のことを。

一日休むということは、彼をサポートなしで放っておくことを意味していた。私は自分が不可欠な存在であること、完璧でクソ真面目なオメガのアシスタントであることに誇りを持っていたのだ。今になって思い知らされる。その献身がいかに哀れなものだったか。単なる便利な体としか見ていない男のため...

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