チャプター 205

エルサ

不安に苛まれ、朦朧としたまま数時間が過ぎた。ストレスと不眠ですっかり衰弱した体は、ついに悲鳴を上げ始める。じっとりとした冷や汗が噴き出し、服を湿らせて不快に肌へ張り付かせた。胃がねじれるように、きりきりと痛む。

必死に平静を保とうと目を閉じたが、監房の騒音――話し声、口論、時折響く怒鳴り声――がそれを許さなかった。血の味がするまで唇を噛みしめ、その鋭い痛みでかろうじて意識を繋ぎとめる。

「おい、お姫様。随分と顔色が悪いじゃねえか」

監房の向かいから、からかうような声が飛んできた。首から腕にかけて刺青が這い、身じろぎするたびにそれが蠢いて見える女だ。

「まさかこんな場所の世話になる...

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