チャプター 24

エルサ

「ありがとうございます。ですが、その報告はきっと大げさなものですわ」

私の内なる狼が彼に強く惹かれているのを感じながらも、私はあくまで仕事上の距離を保とうと努めながらそう答えた。

「どうかな」彼は微笑み、その視線がふと私の足首へと落ちた。「怪我をしているのに働いている。それこそが、君の献身ぶりを物語っているじゃないか」

ドレイクからの絶え間ない批判とはあまりに違う彼の称賛に、私の狼は誇らしげに身を震わせた。ただ認められること、そんな些細なことにこれほど飢えていたなんて、自分が情けなくなるほどだった。

「銀の毒か?」彼の表情が心配そうに曇る。

「工場のひとつで事故がありまして」...

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