第五十四章

私たちはツインムーン大学の曲がりくねった小道をぶらぶらと歩いていた。頭上の木々から太陽の光がまだらに差し込んでいる。アレンは私の隣を歩き、わざとペースを落として歩調を合わせてくれていた。

「ここ、前はバドミントンコートだったんです」私は右手の開けた場所を指さしながら言った。懐かしさの波が押し寄せる。「学部対抗のトーナメントは全部ここで開かれていました。今はトレーニング施設は全部、北キャンパスに移ってしまったんですけど」

ちくしょう、ここが私の最高の場所だったのに。息の詰まるような社内政治も、ドレイクの支配も、毎日つけなければならない仮面もなかった。

アレンは頷き、その目に好奇心をきらめか...

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