あきらめないで

セイン

夜のほとんどを、家中のあちこちで子狼を貪るように抱いて過ごした。俺たちの間に起きた変化については、一言も触れなかった。

深まっていく絆。

彼女の中で育っていく、俺の子。

いつもの俺たちみたいに、互いへの衝動のままに行動し、細かいことは後で考えればいいと決めた。

アイラは体を丸め、半分は俺の上に、もう半分はベッドの上に乗っかっている。口が少し開き、鼻には髪が数本かかっていた。彼女の下からそっと体を滑り出させ、髪を顔からどけてやってから、もう一度布団をかけてやる。彼女から離れて、豪勢な朝食を作りにいくのが名残惜しくて、数秒間、その場に留まった。あまりに長く付き合わせたせいで、彼女...

ログインして続きを読む