新しい始まり

アイラ

部屋なんてものじゃない。案内されたのは、小さなアパートメントだった。ずっと檻に閉じ込められていた身からすれば、その空間は圧倒的に広く感じる。信じられない。こんなことが起こるなんて。リビングの中央に立ったまま、私はただショックで呆然と見つめていた。出られたんだ。私は出られた。あまりに現実離れしていて、信じられない気持ちでいっぱいだ。でも、これは現実。本当に?本当にこんなことが起こっているの?私の部屋は美しい。大きなベッド、大きなテレビ、山ほどの服、そしてとんでもないことにジェットバスまである。攫われて以来、こんなに素敵なものには一度も触れたことがなかった。

ここにいられるのだろうか?...

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