ラリーの遺体安置所

サイラス

俺は速く運転するのが好きだし、それを少しも怖がらない。だが、レイヴンの言う速さと、彼女のコーナーでのドリフトの仕方は……無理だ。「なぁ、お前さん、もうちょっとブーンブーンって感じで、ニョロニョロは少なめにしてくれないか。でないとゲロっちまう」ファイアボールはにやりと笑うと、さらにアクセルを踏み込んだ。どうやら、俺がやめてくれと頼むことは、彼女にとっては提案と見なされるらしい。そしてその提案を、彼女は従わないと決めている。またカーブを曲がり、俺は目を閉じて、腹の中の酒がすべてそこに留まることを願った。「どこに向かってるんだ」「町に一軒あるのよ。ラリーの店。地味で、唸り声を上げるよう...

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