そう言っただろ

アイラ

「ここから出て、やるべきことをやった方がいいわね」壊れた階段室に向かいながら、レイヴンが提案した。瓦礫を登るのは、下りるよりずっと大変だった。

廊下を歩き、ヒートルームを通り過ぎるときには目を閉じた。そして建物のメインエリアを抜ける。

「ここで待ってて」レイヴンは正面ドアから出ていき、少ししてガソリン缶を手に戻ってきた。彼女はそれを受け取るように、あたしに差し出した。

この缶の取っ手を手のひらで握りしめると、言葉では説明できない感情がこみ上げてきた。心臓が高鸣り、この場所が燃え上がる光景を思うと、血が沸き立つような興奮が血管を駆け巡った。胸の締め付けが和らぎ始め、自然と口元に笑み...

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