この壁にはレンガがない

サイラス

ステージでの俺の馬鹿げた振る舞いは、完全にイカれてるように見えたかもしれない。その通りだが、これはファイアボールが俺たちの番いの絆に対して抱いている不信感を黙らせるために必要な力技だったんだ。俺は公衆の面前で彼女を俺のものだと宣言した。全てのシフターたちの前で所有権を主張しただけでなく、その場にいた全ての雌狼たちに、お前らなど俺にとってはどうでもいい存在だと告げたんだ。ああ、罵る必要はなかったかもしれない。だが、俺のファイアボールへの愛情を公に示すためには、それが必要だった。彼女は、奴らが何の意味も持たないことを理解する必要がある。俺はあいつらを求めていない。俺にとって、奴らなんて...

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