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サイラス

俺はレイヴンに胸の内をすべてさらけ出した。彼女の前で自分を包み隠さず話し、ようやく二人の心が通じ合おうとしていたその矢先に、あのクソ野郎が仕掛けてきやがったのだ。内部の犯行か? それとも外部か? 誰がやったにせよ、俺の腹の底ではどす黒い殺意が煮えたぎっている。爆弾の破片をまだ持っていた俺たちは、爆発に使われた火薬の臭いを追跡するつもりだった。だが、現場から車を走らせる背後で、絆を通じて響いてきたセインの絶叫は、ベータを呼ぶアルファの声などではなかった。あれは、助けを求める兄弟の叫びだったのだ。

目の前で繰り広げられた光景は、目を覆いたくなるほど恐ろしいものだったが、今の俺にとって...

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