しかし、私はいまいましいボタンを押しました!

アーラ

アーラ

私は、犯人は必ず見つけ出すから大丈夫だと、セインに言い聞かせ続けている。できる限り彼を奮い立たせてやりたいのに、自分のほうが今にも崩れそうだ。覚悟は決まっている。けれど同時に、腹の底が凍るほど怖い。さっきまで自分のしていることに確信があったのに、次の瞬間にはルナとして下した判断のすべてを疑ってしまう。

人生に「簡単」って押せるボタンがあればいいのに。

「シッ……うちのルナ、なんか壊れかけてない? たぶんだけど」デイモンが囁く。囁いたところで、聞こえるのに。

顔を上げると、三人がこちらを見ていた。私は目の前にあるはずもない「簡単ボタン」を押す真似をしていたところだった。...

ログインして続きを読む