カーム・イン・ザ・ストーム

デイモン

アイラの家の台所の窓から差し込む陽光は、本来なら黄金色で暖かなはずだった。だが実際は、あらゆる欠点を容赦なく暴き立てるほどにきつかった。俺はカウンターに立ち、指の関節が白くなるほど強く縁を掴んでいた。コーヒーを淹れている最中、それを見てしまったのだ。

黒い御影石の縁に沿って、わずかに散らばる埃。

何でもないことだ。他の誰かにとっては、取るに足らないことだろう。だが、俺にとっては違う。

不揃いで青白い微粒子が、まるで染みのようにこびりついている。その光景が、石のように俺の胸につかえた。呼吸が浅くなる。

そこにあってはならないものだ。

考えるより先に体が動いた。引き出しからマイク...

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