目覚めた要塞

アイラ

無言のまま、舗装された道を外れ、砂利道へと入る。山が私たちを包み込むようにそびえ立ち、松の木々が空へと伸びている。空気は薄くなり、鋭さを増し、冷たくなっていく。松の香りがセインの匂いと混じり合い、彼が選ばれし『アルファの中のアルファ』であることを確信させる。

太ももの上に置かれた私の手に、セインの手が重ねられる。親指が、もう何マイルもなぞり続けてきたのと同じ線を、ゆっくりと撫でた。窓に映る彼の横顔を見つめる。硬質な顎のライン、引き結ばれた口元。彼は落ち着いている。あるいは、そう努めているのか。

「どこへ向かっているのか、教えてくれるつもり?」と、私はついに尋ねた。

「家だ」と彼は言...

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