フォレストフロア

アイラ

砂埃の中を、背が高く、胸板の厚い男が近づいてくる。戸口の枠よりも背が高いように見える。影に覆われ、私に見えるのは、彼の金色の瞳のきらめきと、光が生み出すその体の輪郭だけだ。私を収容しているこの地下壕に彼が足を踏み入れると、ブーツがごつんと音を立てるのが聞こえる。この男がアルファの狼だと、すぐにわかった。彼は極めて支配的で、その気配が部屋中に脈打ち、アラマナを持たないにもかかわらず、私は思わず頭を垂れ、彼のエネルギーの存在感だけで首を差し出して服従してしまう。彼は土と松の匂いがする。森の土と、美しい木々の香り。それは、私がかつて持っていた自由を思い出させる。森を駆け抜けること、土の匂い、つま先の間で感じる森の地面の柔らかさ、髪を撫でるそよ風、顔に降り注ぐ太陽の光、あるいは、ウサギを追いかけ、兄妹たちと遊んだときに毛皮を温めてくれた陽光。彼の香りは心地よい。安らぎに満ちている。故郷の匂いがする。

この人が、私の新しい看守? 私を虐待する、新しい主人? それとも、欲しいものを手に入れようとするアルファのローグ? 檻の前面に手をつき、後ずさりし始めたその時、私の上に覆いかぶさっていた看守が、私の体から跳ね起き、まっすぐ宙を舞って新しいアルファに向かっていった。彼は、新しいアルファが放った右フック一発で、即座に打ちのめされた。階段の明かりのちらつきの中で、その拳が繰り出されるのが見えた。電光石火の速さだった。看守に、身を守る術はなかった。彼はコンクリートに激しく叩きつけられ、容赦のない床に衝突すると同時に、ゴッと鈍い音と共にバキッと大きな音が響き、そして――無音になった。

静寂が訪れる。

静かすぎるほどの静寂が。

パニックに陥り、檻の奥へと後ずさりしながら、私の呼吸は荒く、大きくなっていく。彼が看守を殺した。それは喜びに満ちた涙や歓喜の叫びをもたらすはずなのに、代わりに私は極度の不安と恐怖に襲われている。頭の中を思考が駆け巡り、押しつぶされそうだ。もし、この男がもっと酷かったら? もし、匂いでわかる他のシフターたちが、私を押さえつけに来たとしたら? もし、彼らが私を追いかけ、狩ろうとしているとしたら? この時点で、私は過呼吸に陥り、吐き気とめまいがしてきた。今、偽りの発情期を誘発することなんてできない。シフターの群れから逃げ切ることなんてできない。できない……私には……ただ……できない……。『アラマナ? アラマナ、聞こえる? あなたが必要なの』。繋がりを求めて、心の中を探り、懇願し、希望を抱くが、返ってくるのは沈黙だけだった。

「シッ、シッ、シィー……大丈夫だ。大丈夫。大丈夫だから……。危害は加えない。俺たちは助けに来たんだ……約束する。今の君にとって、そんな言葉に大した意味はないかもしれないとわかっている。だが、俺は必ず約束を守る。大丈夫になる」。新しいアルファが、檻の前の暗闇から私に囁きかける。その声は、ひどく穏やかで、心を落ち着かせる響きを持っていた。助け。慰めをもたらすはずの、ありふれた言葉。私の人生で、最後にその言葉が現実になったのがいつだったか、思い出せない。誰も私を助けてくれない。私が耐えていること、私にされていることについて、誰も一言も口にしないし、誰も慰めてくれない。特に、殺人的で、怒りに満ちた、支配的なアルファたちは。彼らは偽りの約束をし、私の心地よさなど気にもかけない。彼らはその度にあなたを壊し、抜け殻にして置き去りにするのだ。

温かく、大きく、硬くなった手が私のふくらはぎに触れ、私は瞬時にびくっとして身をすくめた。その手は、また戻ってきた。数秒もしないうちに、私はこの上なく温かい抱擁に包まれ、人生で感じたことのないほど柔らかなフリースの毛布で覆われた。まるで、温かいウサギの群れの真ん中で繭に包まれているような気分だ。この毛布に溶け込んでしまいたい。全身にこすりつけて、永遠に隠れていたい。二度と、ただ一人のシフターとも関わらずに。呼吸がゆっくりになり、少しずつ落ち着いてきていることに気づく。ざらついた手は、私の脚の上に置かれたままだった。

そうだ。呼吸をゆっくり。鼻から吸って、口からゆっくり吐いて。もう一度……吸って……吐いて……いい子だ。よくやってるよ、リトル・ウルフ……本当にいい子だ。

彼が優しく囁く。その心地よい称賛の言葉に体はとろけてしまいそうになるけれど、頭では分かっている。多くのアルファは、そうやって偽りの安心感で相手を油断させるのだ。そして油断したところで、観衆の歓声の中、横殴りに顔を張り飛ばし、テーブルの向こうへと放り投げる。あるいは、一度獲物を解き放ち、自由の味をほんの少しだけ見せてから、捕まえたシフトシェイプの誰かに好き放題に蹂躙させる狩りをする。彼らが楽しんでいた遊び。もう二度と参加したくないゲームだ。

暗闇の中、目を凝らすと視界がぼやけ始める。左目がほとんど開かないことに今さら気づく。口の中に強い鉄の味が広がるのは、自分の血のせいだと分かる。唇を切ったに違いないし、頭も出血しているようだ。息をするたびに、胸と腹が炎のように焼ける。今は、その息を何度も繰り返している。

「だめだ、だめだ。どこへ行ってしまったんだ、リトル・ウルフ? ここにいろ、俺と一緒に……疑うな……ただ……落ち着くんだ。俺たちは悪者じゃない。助けに来たんだ。怖いのは分かっている。お前を責めたりはしない。だが、落ち着かないと。大量に出血しているし、意識を失いかけているぞ」

彼は早口でそう告げると、私の檻の前から身を引いた。

二人目のブーツの音が近づいてくるのが聞こえ、心拍数が跳ね上がる。

「シーッ……だめだ……パニックになるな。これはヒーラーだ。痛みを和らげて、俺たちの群れまで運ぶのを助けてくれる。お前は……もう……安全だ」

最後の言葉は、彼自身が私の危険な状態に耐え難いというかのように、低い唸り声と共に胸の奥から絞り出された。

より柔らかく温かい手が私のすねに置かれると、突然、温かい波がつま先から這い上がり、ゆっくりと全身を覆っていく。今まで感じたことのない、最高に心地よい温かさと安らぎが私の中に満ちていき、血脈が燃え立つようだ。額と肋骨に、わずかな灼熱感を感じる。痛くはないけれど、心地よくもない。治癒の力が体内で働いているのだ。

ごつごつした手が、檻の格子越しに私の肩に置かれた。私はまた体を跳ねさせる。松の香りが感覚を侵し、心安らぐ存在感を私の中に作り出す。慰めなんていらない。安らぎも温かさもいらない。それは異質で、嘘に満ちている。信用できない。

目の腫れが引いていき、痛みが和らぐのを感じる。肋骨はまだじんじんと痛むけれど、息をするたびに走った耐え難い激痛はもうない。私の中に広がる安らぎが、顔に微かな笑みを浮かばせる。その感覚自体が奇妙だった。最後に笑ったのがいつだったか、治癒を喜んだのがいつだったか思い出せない。治癒は、新たな殴打をもたらすだけだから。

腕の後ろに素早い痛みが走り、私は身を引いた。注射だ。こうなることは分かっていたはずだ。ヒーローのふりをして、結局は悪役に変わるのを楽しみ、発情期が欲しいだけなのだ。あるいは、捕虜にストックホルム症候群を抱かせるのが好きなのかもしれない。脅威でありながら、女たちを懐柔して安全だと感じさせる。

めまいがし始め、すべての音がくぐもって歪んで聞こえ始める。瞼が重くなり始め、眼球が頭の奥へと転がっていく。頭が肩の上でぐらつき始める。スローモーションのように感じられる中で、私は何度も「いや」と首を振り続ける。

頭が檻の壁にがくんと凭れかかる。瞼は重すぎて開けられず、音は途絶えた。

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