本来あるべき人生が欲しい

セイン

部屋に足を踏み入れた瞬間、リトルウルフが一日じゅう不安に苛まれていたことがわかる。ラベンダーの香りが濃く漂っているが、そこに胆汁の鋭い刺激と、拭いきれない恐怖が混じっている。俺のオメガが傷ついている。ならば直すべきだ――体の奥に根づいた本能のすべてが、そう命じる。恐怖を安全に置き換えなければならない。俺という安全に。

「今週末」思った以上に荒い声が喉から漏れる。「俺のものになるって言え」

俺はこの国で最大の群れを率いるアルファだ。何も、誰も、恐れはしない。なのに今この瞬間だけは、肋骨の内側で心臓が暴れ、返事を待つあいだ胃の奥で不安の羽虫がもつれ合う。

「……なる」彼女は囁く。「...

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