エイラ・ナイト

アイラ

私は驚いてセインの方を向いた。ミッドナイト・パックの番いの儀式なんて一度も見たことがないし、何か言葉を用意する必要があるなんて思ってもみなかった。言いたくないわけじゃない。でも、こういう気持ちはまだ自分の中で整理するのが難しくて、できれば二人きりのときに伝えたかった。私たちが運命の番で、彼のことを愛しているのはわかってる。でも、人前でそれを表現するのは、あまりにも荷が重い。

多分、単純に恥ずかしいだけなんだと思う。でも、興奮が湧き上がってくるのも感じていた。セインと番になってから、ずっと夢うつつだった気がする。絆を通して彼の圧倒的な幸福感が温かく脈打っているのがわかるけど、同時に一...

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