ヒート・デイ7

アイラ

何かがおかしい。それが何なのかは分からないけれど、肌で感じる。巣に何かが足りない。私はぐるぐると歩き回り、クッションを押し込み、ブランケットを整え、巣を直していく。でも、何がおかしいのかどうしても分からない。私の内なる狼は欲求不満で、唸り声を上げ、同じ場所をぐるぐる回り、分を追うごとに落ち着きをなくしていく。

聖域のバランスを崩しているものが何なのか見つけようと辺りを見回した、その時。背後のどこかから、柔らかな喉を鳴らす音が聞こえてきた。その音は私を包み込み、感覚を鎮めてくれる。心地よくて、私を苛立ちから引き離してくれる。この音がもっと欲しい。

振り向くと、その音は私のアルファか...

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