第100章

「豊文、とんでもない朗報だぞ。光弘が病院で検査を受けたら、体はすこぶる健康だった。若夫婦は毎日一緒に寝てるし、お前ももうすぐ曾孫を抱けるぞ」

秋山棠花は藤原おじいさんとの間に今の二人の関係を説明しようと思った。

しかし、電話の向こうから祖父の声が聞こえてきた途端、唇をきつく結んだ。

それに、老人の前で自分の子供のことについて話されるのを聞いていると、秋山棠花は奇妙で、気まずい気持ちになるだけだった。

立ち上がって少し離れた席に移ろうとした時、ふと見慣れた人影がキッチンで忙しなく立ち働いているのが視界の隅に入った。

秋山棠花は目を細める。

今朝は寝起きが悪かったのか、そ...

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