第230章

「藤原光弘、さっき言い忘れていたことがあるの。お祖父様には、あなたが殴られた本当の理由は話していないわ。ただ怪我をして、しばらく自宅療養が必要だとだけ伝えてある」

「もし体調が戻ったら、お祖父様に顔を見せに行ってあげて。あなたのことを心配しているから。もちろん、余計なことがバレないように私も話を合わせるつもりよ」

 秋山棠花としても、やはり奇妙に感じられた。

 藤原光弘の怪我は決して小さなものではない。それなのに、祖父は不思議なほど事情を深く聞こうとはしなかった。ただ彼女に、彼を見舞ってやれ、もっと気にかけてやれと言うばかりだ。

 どうやって怪我をしたのか、誰にやられたのか……祖父は...

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