第308章

一方、その頃。

屋敷の門を出た秋山棠花は、停めてあった車に乗り込もうとしたところで、藤原光弘を迎えに来た高橋久弥と鉢合わせになった。

「奥様、藤原社長はご一緒ではないのですか?」

高橋久弥は不思議そうに秋山棠花の背後へと視線を巡らせた。彼の記憶が確かなら、藤原社長は奥様を追いかけてここへ来たはずだ。

それなのに、なぜ社長の姿が見当たらないのか……。

秋山棠花は背後の屋敷を親指で指し示した。

「あの人はまだ中で話してるわ。ここで待ってなさい」

そう言い捨てると、彼女は別の方向へと歩き出す。

高橋久弥は慌てて追いかけ、満面の笑みを浮かべながら秋山棠花の前に立ちはだかった。

「あ...

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