第398章

手当てを簡単に済ませると、日向琴葉は傍らに腰を下ろし、真剣な眼差しで高橋久弥を見据えた。

それはまさに、罪を問いただそうとする裁判官のような威圧感だ。

「正直に言いなさい。どうしてこんな夜更けに来たの? ここがどこだか分かってるわけ?」

今になって、背筋が寒くなるのを感じる。

さっき彼女が手にしたのは、たまたまドアの裏にあったただの棒きれだった。もしあれが別の凶器だったなら、今頃、高橋久弥は病院のベッドの上だったかもしれない。

それに、安田家の警備は伊達ではない。彼がこうして五体満足で侵入できたということは、主である秋山棠花が最初から承知していたということだ。

自分だけが蚊帳の外...

ログインして続きを読む