第403章

 携帯電話が見当たらないことに気づき、慌てて駆けつけた高橋久弥の目に飛び込んできたのは、まさにその携帯を手にしている藤原社長の姿だった。しかも、通話を終えたばかりといった様子だ。

「藤原社長、それは私の……携帯ですよね?」

 高橋久弥は呆気にとられた。

 見間違いでなければ、今しがた藤原光弘は、他人の携帯で電話に出ていたのではないか?

 動揺する高橋久弥とは対照的に、藤原光弘は至って冷静だった。現場を押さえられた気まずさなど微塵も感じさせない。

「ああ、君のだ。着信があったから、つい順手で出てしまった」

 藤原光弘は悪びれる様子もなく言い放つ。

 高橋久弥は間の抜けた声を漏らし...

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