第416章

 そうは言っても、秋山棠花は好奇心を抑えきれなかった。

 相手は延司おじさんと親友だ。そこにはどれほどの修羅場――いや、面白い話が転がっていることか。

「でも、やっぱり私は……」

 棠花が言い終わらないうちに、温かい掌がふいに視界を覆った。

 次の瞬間、頭上から柏木浬の声が降ってくる。

 子供をあやすような、優しく甘い響きだ。

「はいはい、野次馬根性はそこまで。安田社長は君の目上の人なんだから、万が一見てはいけない場面に出くわしたりしたら、今後どういう顔をして会うつもり?」

「だから、見ない、考えない。二人が降りてくるのを待つのが正解だよ」

 確かに柏木浬の言う通りだ。

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