第430章

「ねえ、柏木さんもそう思うでしょ?」

 佐藤玲はわざと、前の席にいる柏木浬に話題を振り、二人が会話するきっかけを作ろうとした。

 秋山棠花を救い出したことに関しては、柏木浬も一役買っているのだ。彼自身が怪我をしていないからといって、その功績を無視するわけにはいかない。

 秋山棠花の親友として、佐藤玲は密かにこう思っていた。柏木浬のような優しくて思いやりのある男性こそが、棠花には一番お似合いなのだと。

 もっとも、恋愛感情ばかりは他人がどうこうできるものではない。彼女としても、これ以上は無力だった。

「ええ、佐藤さんの言う通りです。……棠花、気分はどう? どこか辛いところはないかい?...

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