第463章

藤原光弘の腹のうちはこうだ。どうせ今の社長は自分ではないのだから、そんなことに頭を悩ませる必要などない。

ただ、高橋久弥に損な役回りをさせたくない——それだけの話だった。

電話の向こうで、高橋久弥がぷっと吹き出した。

「藤原社長、自分の耳で聞いていなければ、別人がなりすましているのかと疑うところですよ。まさかあなたの口からそんな言葉が出るとは」

何しろここ数年、藤原光弘といえば会社きっての仕事の鬼として知られていたのだ。

部下たちは皆、いつ自分がミスを犯して藤原光弘の一言で会社を追い出されるかと、戦々恐々としていたものである。

それが今や、一介の助手に会社で上手くサボる方法や、給...

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