第498章

 秋山棠花は言葉を詰まらせた。

「玲……全部、聞いてたの?」

 佐藤玲が唐突にあんなことを言い出した理由が、ようやく腑に落ちた。彼女は、すべて聞いていたのだ。

 佐藤玲も隠そうとはせず、小さく頷く。

「ええ。今日、あなたが慌てて病院に向かったから、心配で後を追ったの……」

「盗み聞きするつもりはなかったのよ。ただ、ドアが開いていて、あなた一人だと思って近づいたら……まさか藤原光弘がいきなり抱きつくなんて」

 その瞬間、秋山棠花の頭の中は真っ白になった。

 佐藤玲はため息をつく。

「棠花。こんなこと言われるのが辛いのはわかってる。でも、いつまで逃げ続けるつもり?」

「感情の問...

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