第506章

 そう言って、藤原颯はその双眸を上げ、目の前の秋山棠花を深く凝視した。

「俺は悔しいんだ。数年かけて死に物狂いで築き上げた会社が、たった一言、たった一つの肩書きだけで全否定されるなんて。その一方で、藤原光弘はただそこに立っているだけで、俺が一生かけても手に入らない全てを手に入れていく。俺の好きな人でさえ、奴に奪われて……」

 最後の数語には、濃密な無念が滲んでいた。

「俺たちには同じ血が流れている。顔だって七割も八割も似ているというのに、どうして藤原光弘にあって俺にはないんだ。どうして奴はお前の愛を得られて、俺には告白する資格すらない?」

「棠花、この屈辱をどうやって飲み込めと言うん...

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