第524章

だが、今の藤原颯はもう怒っていなかった。それどころか、驚くほど穏やかに己の今の立場を受け入れたのである。

「その通りだ。会社がこれほどの事態に陥った以上、社長である俺には不可避の責任がある。安心しろ、逃げはしない」

その反応は、藤原光弘にとって意外なものだった。

彼は思わず、問いを投げかける。

「藤原颯。なぜ俺がこのタイミングで、役員全員を招集できたと思う?」

藤原颯は目を細め、藤原光弘へと視線を流して二秒ほど沈黙した。

だが、目の前の弟の顔には、勝ち誇ったような色は微塵も浮かんでいない。

あるのは、ただ深刻な眼差しと真摯な口調だけだった。

彼は唇を引き結び、答えを口にする。...

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