第549章

柏木浬の穏やかな微笑みを前にして、秋山棠花の胸には一層の罪悪感が込み上げてきた。

だが、このまま放置するわけにはいかない。

彼女は意を決して口を開いた。

「浬くん、藤原家の今の状況、どこまで把握してる?」

藤原家という言葉を聞いた瞬間、柏木浬はすべてを悟った。

心中、まったくわだかまりがないと言えば嘘になる。

しかし、その感情もすぐに霧散した。

秋山棠花が藤原光弘を想っていることは今に始まったことではない。もし彼女が本当にあの男を吹っ切れるのなら、これほど長きにわたり彼のそばに縛り付けられ、離れられずにいるはずがなかった。

彼女とはただの友人として付き合っていくと自分を納得さ...

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