第555章

すべては藤原光弘のせいだと思い至り、日向琴葉はたまらず愚痴をこぼした。

「あの藤原光弘って男、本当に少しもじっとしてられないのね……」

「彼がわざわざこんな時期に、高橋久弥へ緊急任務なんか押し付けなければ、久弥だって病み上がりで無理して、怪我を悪化させることなんてなかったのに」

「あいつが断れないって分かってるくせに、あんな急ぎの仕事をさせるなんて、ただの搾取じゃない!」

高橋久弥の怪我がようやく快方に向かい始めた途端、藤原光弘はここぞとばかりに彼をこき使った。こんな上司のどこに、命を懸けてまで尽くす価値があるというのか。

日向琴葉は怒りのあまり腹の虫が治まらなかったが、高橋久弥を...

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