第557章

「消えた?」

 秋山棠花の瞳の奥に鋭い光が走った。藤原颯が連行されたことこそ知っていたものの、その側近の動向までは全く把握していなかったのだ。

「はい、その通りです」

 高橋久弥が言葉を継ぐ。

「藤原颯が捕まった直後から、その男の行方は完全に掴めなくなっていました。ですが昨晩、うちの者が偶然にも安市で彼の姿を目撃したのです」

「楠田青は藤原颯の部下であり、専属のボディガードでもあります。奴なら藤原颯とエイドリ家の裏事情を深く知っているはずだと直感しました。少なくとも、藤原颯が藤原家を乗っ取るためにエイドリ家と結託した件について、楠田青が知らないわけがありません」

「つまり、この男...

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