第578章

室内に再び静寂が戻ると、藤原光弘は安田時也がまだ立ったままであることに気づき、慌てて自分の椅子を引き、彼に座るよう促した。

顔に媚びるような笑みを浮かべる。

「時也おじさん、年長者なのですから、どうぞ上座へ」

片手を差し出して案内するその姿は、到底社長が発するオーラではなく、実の叔父の機嫌を取ろうと図々しく振る舞う甥っ子そのものだった。

その様子に、その場にいた株主たちは全員呆気に取られてしまった。

しかし、藤原光弘本人は全く気にする素振りも見せない。他人はともかく、彼自身ははっきりと分かっていた。

安田時也の身分とプライドを考えれば、自分からどれだけ頼み込んでも絶対に来てくれる...

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