第587章

秋山棠花は急いで弁解しようとはせず、ただ静かに藤原颯が話し終えるのを待っていた。

何しろ長年の付き合いだ。どうすれば彼に完全に諦めさせることができるのか、彼女は熟知している。

藤原颯の顔色は次第に蒼白さを増していった。自分が何を言おうと、もはや秋山棠花の耳には届かないと悟ったからだ。彼女はただ、その決定事項を彼に告げたに過ぎない。

ふと、彼の口元にどうしようもない自嘲の笑みが浮かんだ。

それもそうだ。

今の自分の惨状を見れば、秋山棠花が藤原光弘を選ばず、前科持ちで未来など微塵も見えない自分を選ぶわけがないではないか。

とっくの昔に諦めるべきだったのだ。

藤原颯は目を閉じ、深く息...

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