第625章

場が静まり返った一瞬、藤原光弘はその不穏な空気を察知し、実の母親と妻との関係を和ませようと口を開きかけた。

何しろ以前、秋山棠花は彼の母親から散々冷たい扱いを受けてきたのだから。

「あの……」

だが、彼が言葉を言い終える前に、山田蓮花がそれを遮った。

「別にいいじゃない。棠花がそう呼びたいなら、何と呼ばれたって私は嬉しいわ」

「さあ、棠花、中へ入りましょう。昨日の結婚式の後、私ったらまるで夢を見ているみたいで、目が覚めたら全部消えてしまうんじゃないかって、一晩中眠れなかったのよ。あなたと光弘が結局結ばれて、本当に良かった……」

秋山棠花は急いで弁解することもなく、後ろにいる藤原光...

ログインして続きを読む