第645章

「藤原光弘、お互いすれ違わずに済んで本当によかった。あなたがまだ待っていてくれて、本当によかった」

 秋山棠花はゆっくりと顔を上げ、赤く腫れた瞳で目の前にいる藤原光弘を見つめた。

 彼がずっと同じ場所で自分を待ち続けてくれたことが、今はただ限りなく嬉しかった。

 幾多の困難に直面しても、二人は決して離れ離れになることはなかった。

 藤原光弘は身をかがめ、彼女の額にそっと口づけを落とす。

「馬鹿なことを言うな。俺がお前を逃すわけないだろう。俺がずっと探し求めていたのは、お前だけだ。ただ、俺たちの間にある誤解が深すぎた。それに、以前のことは俺がお前を不安にさせたせいでもある」

 秋山...

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