第646章

 その夜、秋山棠花は安田家に泊まることになった。

 二人は車で来たが、藤原光弘はすっかり酔い潰れ、棠花も出産を間近に控えている。泥酔した夫を連れて妊婦が自ら運転して帰るなど、誰の目にも危なっかしくて見ていられなかった。

 もし家に着いてから、棠花が光弘を支えきれずに転倒でもしたらと思うと、それこそ背筋が凍る。

 安田家の五兄弟は満場一致で、棠花を今夜は実家に留まらせ、明日光弘の酔いが覚めてから帰らせることに決めた。

 もちろん、棠花がこのまま数日実家でゆっくりしたいと言うなら、それも大歓迎だった。

 臨月を迎えているのだから、家族の多い安田家にいた方が、光弘との新居に一人で帰るより...

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