第720章

山田蓮花の切々とした訴えは、秋山棠花の心を動かしただけでなく、傍らで高みの見物を決め込んでいた佐藤玲をもすっかり呆然とさせた。

これが彼女の知る、かつて棠花をいじめていたあの山田蓮花なのだろうか。

まるで別人のように変わってしまったかのようだ。

佐藤玲はしばらくの間ぽかんとしていたが、やがて確認を求めるように秋山棠花へ視線を向けた。

本当にあの山田蓮花なのか?

かつて秋山棠花を藤原家から叩き出した、あの悪辣な女だとでもいうのか。

秋山棠花はその表情を見ただけで彼女の心中を察し、呆れたようにちらりと目をやった。

先ほどの佐藤玲の爆発的な勢いには、止める隙など微塵もなかったのだ。

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