第745章

安田礼は、秋山棠花が今しがた口にした名前にハッと気付き、驚いたように尋ねた。

「ゆい、というのは赤ちゃんの名前かい?」

秋山棠花はこくりと頷き、無意識のうちに藤原光弘へと優しい視線を向けた。だが、それが彼の名付けたものだとは明言しなかった。

「とりあえずの呼び名で、まだ正式には決めてないの」

安田礼はその名を口の中で反芻し、やがて満足げに頷いた。

「いい響きだ。これで我が安田家にも姫様が誕生したというわけだな。退院したら、すぐにでもお前の祖父にこの吉報を伝えよう。赤ちゃんの写真を見せたら、間違いなく泣いて喜ぶぞ」

彼女自身もそう思っていた。

彼女は祖父、そして藤原のお爺様とも約...

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