第75章

「棠花、せっかくもうすぐ独り身に戻れるんだから、一人でホテルに籠もっててもつまらないでしょ。それなら……」

佐藤玲は意地悪く笑いながら、秋山棠花のキャミソールのストラップを指で弾いた。「外で思いっきり羽を伸ばしましょ。前祝いってことで」

どこへ行くのかは、佐藤玲の服装がすべてを物語っていた。

しかし、秋山棠花にはもうそんな気力は残っていなかった。さっきお酒を飲みすぎたせいで、今普通に話せているのも無理やり体力を振り絞っているからだ。

これからクラブで朝まで騒ぐなんて、もう無理だった。

だが、佐藤玲の眼差しはあまりにも熱心で、秋山棠花ははっきりと断れなかった。

なんとか...

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