第777章

深夜。辺りは静寂に包まれていた。

目を覚ました秋山棠花は、それからどうしても寝付けなかった。

いっそのことと思い、ベッドに半身を起こした。田中さんの腕の中で、すんなりと哺乳瓶を抱え、ミルクをごくごくと飲む我が子の姿をじっと見つめる。まるでこの世の何よりも美味しいものを味わっているかのように、その真っ黒な瞳は目の前の哺乳瓶から片時も離れない。

誰かにご飯を奪われないよう警戒しているかのようなその様子に、秋山棠花は思わず口元をほころばせた。胸の奥に、じんわりと温かく濃密な幸福感が広がっていく。

今の彼女には、藤原光弘がいて、家族がいて、そしてこんなにも愛らしくてお利口な娘がいる。

ただ...

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