第780章

安田時也は図星を指されても腹を立てることはなく、ふっと笑みをこぼして秋山棠花の隣に腰を下ろした。

確かに、心に想う女性のことが気になっていたのだ。

今回の帰国はあまりにも急だった。機内で辛うじて北野薫に『野暮用で数日帰国するから、心配しないでくれ』と短いメッセージを送るのが精一杯だった。

だが、あれからもう十日以上が過ぎている。一昨日から何度メッセージを送っても、いっこうに返信がない。

安田時也は北野薫の性格をよく知っている。普段はあんなにも甘えてくる彼女が、理由もなく無視を決め込むはずがない。

考えられる可能性はただ一つ――怒っているのだ。

それゆえ、国内の用事はもう片付いたと...

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