第83章

「前のことは私が悪かったわ。よそ者の言葉に目が眩んでしまって。母さんはもう目が覚めたの。二度とあんな真似はしないから。これからは本当の娘のように大切にする。だから、一度だけ母さんを許してくれないかしら?」

山田蓮花のあまりの変わり身の早さに、秋山棠花は舌を巻いた。

しかし、この言葉を聞いてその意味が分からないほど、長年生きてきたわけではない。

つまり、自分の本当の正体がバレて、山田蓮花はどちらが本物のお嬢様なのかを知ったというわけだ。そして今、この機に乗じて自分に取り入り、これまでの仕打ちを帳消しにしようとしている。

藤原家の奥様として君臨してきただけあって、山田蓮花は過ちを...

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